映画愛を感じない、あくまでもテレビ的な映画で、これを映画と言うなら日本映画の先行きが不安になります。
と、いきなり悪評を書いてしまっているようですが、大スクリーンコンテンツに「映画的」とか「TV的」という観点を覗いてみるのであれば良くできてると思います。
普通に面白く見る事ができました。
あの長い原作は上手に消化され、連載初期の「トモダチは誰なのか?」というドキドキ感を巧みに再現し、原作ファンを納得させるだけのギミックを十分に盛り込み、見応えはあると思います。
しかし、TV的な独特の「悪ふざけ」というケレン味が鼻についてしまいました。堤さんより、金子修助さんが監督された方が、より映画として面白い作品になっただろうなと感じました。
また、原作ファンの期待に応えるキャスティングは、ヴィジュアル面やキャラクター面では絶妙なのですが、それを優先しすぎてどうにも演技がお粗末になっていました。冒頭数分の演技は本当に酷く、スクリーンで見るに耐えられない状況です。最初は耐えられないのですが、香川照之さんが出てくるあたりから、やっと安心でき、その頃には慣れてくるので、そういう点では何とか大丈夫ではあったかと。
また、唐沢さんはちょっと大味な演技になっていて、悪ふざけ感を助長していただけに感じました。
この「悪ふざけ感」はある意味原作に通じるものなので、確かに解釈としてはあってるのかもしれませんが、浦沢直樹さんがやると自然ですが、堤さんがやる分にはちょっと嫌みでした。
それを逆に楽しむ映画として見るのであれば、良い映画だと思います。
確かに、演出上は巧みなところも多いですので。
評価:★★★☆☆
上映中の映画館 >>> http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tyst/id327991/
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