4月 3, 2015

兄のこと

知っている人もいるし、知らない人には大して興味も無いようなお話なのですが、自分は家族仲が悪いです。
まあ悪い理由には色々あって、それはここでは書かないのですが、まあそりゃ子供の頃から色々あったので、そこは察してください。
そんな家族仲が悪いおけげで、身の回りの家族仲いい人達の話をきくととても癒やされます。
ほんと、みなさん大事にしたい家族がいるなら大事にしてください。

なんでこんな事を書くかっていうと、日記的に今感じている事を書き留めておきたかっただけです。
じゃあ別に非公開で良いって話なんですが、誰かにはき出さないとやってられない気持ちもあったりするので。

自分には兄が二人いて、そのうち一人はご多分に漏れず険悪で、基本両親同様断絶状態です。
でももう一人の兄(長男)とは、ちゃんと家族づきあいができています。
家族づきあいといっても、東京に出ているし、いろいろと付き合い辛いこちら的な都合もあり、疎遠ではあります。
そもそもなんで、長男とは大丈夫かっていうと、多分一番縁がないというか付き合いが浅いからです。

年齢が八歳ほど離れているというのもあるのだけど、うちの長男は本当に色々あまった人でした。
出生時のトラブルに端を発し、暴力的な父とももめ、網膜剥離で片眼の視力をほとんど失い、高校も中退する羽目になり、ろくなとこで働く事も出来ず、きっと幼い頃のいろんな夢をいろんな物に邪魔されて、夢見る事すらさせてもらえなかったんだろうと思います。

そんな彼が兄弟の中で唯一結婚し、子供(娘)をもうけ、幸せに家庭をつくっていたわけですが、
数年前脳出血で倒れました。後遺症として右半身が麻痺してしまいました。
奥さんが根性ある人で、特に誰にも頼らず、家族だけでそれを支え頑張っていたようです。
僕は結局なにもしませんでした。

右半身麻痺の後遺症をもちながらも、障害者枠のある会社に就職し、半身ひきづって仕事をしていたらしいです。それも後から聞きました。

そんな彼が再度脳出血で倒れました。
今度は左半身まで駄目になったようです。
よしんばある程度回復したとしても、今回ダメージ受けた箇所は、場合によっては痴呆を発症させる可能性があるらしいです。

「おとうちゃん苦労の多い人だったからね〜、もうこれで引退させてのんびりさせてあげたいんだよね〜」
なんて兄嫁さんはいってました。
きっとそんな前向きな言葉の裏には自分なんか知る事もない不安や葛藤や苦労があるはずなのに、他人(決して他人ではないけど)に迷惑をかけまいという気持ちが強いのでしょう。そして彼女にとっては他人ではない長男の苦労をまるっと抱えこむのだろうなと。

せめて姪っ子の学費とか、治療費の一部とかそういうところで協力できればいいなあと思っていたりもするのだけど、どう声をかけていいのかわかりませんでした。

今日二度目の見舞いにいきました。たまたま担当のソーシャルワーカーの人とあえてこれからどう大変かをきいたところです。

なんかね、世界って理不尽だなあって本当に思うんです。
別に誰に迷惑かけてないのに、生まれながら安心する家も与えられず、いきたい学校も選べず、かなえたい夢も聞いてもらえない家庭なんていくらいでもいるのにさ、そうでもない人が、それを当たり前として学業選択の自由を語ったり、夢を語ったりするんです。それが当たり前じゃない人間なんていくらでもいるんだよね。
そしてそんな当たり前すら無かったのに、なんでこの後に及んでこんな苦労を抱え込む事になるんだろうね。
一時、とても悲しい気持ちにもなったりしました。

少しずつ回復しているという連絡で、こちらの気持ちは少し楽になってますが、日々が過ぎるごと、兄家族には生活という現実がのしかかるんだろうと思います。僕はせめて世界に復讐するつもりで仕事を頑張り金を稼いで、姪っ子が夢を語れるようにしてあげれればいいなと思いますが、今日聞いた現実をきくと、不安のうちのほんの少しを解消する事しかできないかもしれないです。

それでもまだ自分は色々、周りの助けもあってあきらめないでいられるので、出来ることをやっていこうと思います。
理不尽な世界の上にある当たり前に感じる幸せは、すべからく薄氷の上に存在するという事を忘れないように。

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